▼制作時のこだわり [CG講座(4)]


    背景(1)

キャラで隠れる部分も描いておいてくれると嬉しいなー的なオーダーを受けたので、
簡単にラフを追加しました。
基本的に全てデジタルで描いてます。
建築物等はラインツールやパスツールを使って描いていきます。
描いてない部分は色を塗る段階で描き込む予定なので、
ここでは描かない事にします。












フォトショップのブラシでガシガシと描きました。
文字通り「ラフ」です。
後で塗り潰してしまうのでかなり適当ですね。
何処に何を配置すればいいかの覚え書きみたいなものです。

    背景(2)

とりあえず色と簡単な陰を入れました。
完成系が見えてきたような気がします。
いいえ、それは錯覚です。
まだまだ先は長いのですが、少しの知識とMっ気で乗り越えて
いきます。

    近景(1)

ひたすらディテールを描き込んでいきます。
微妙に歪んでパースがついてるので陰を塗るのも一苦労です。
この部分はほとんどキャラで隠れてしまうのですが
考えないようにします。
悲しくなるので。
コントラストを上げて夏っぽさを表現します。
大胆に落ち影をいれてあげるといい感じに。

    近景(2)

丸っこい石が積み上がっている様なイメージでアタリをとります。
これはそのまま、一番濃い部分の陰になります。(図1)

石の凹凸を表現します。
ノリと勢いでガシガシで塗り重ねていきます。
ランダムに色の違う石を配置してアクセントをつけてみました。(図2)

建物の影になる部分なので、思いきって暗くして
若干のテカリを加えて完成です。(図3)

    近景〜中景(石段)

石段の陰をフリーハンドで塗ってアタリをとります。(図1)

傷、へこみ、凹凸を加えていきます。
ここでも重要なのはノリと勢いです。後ランダム感。(図2)

建物の落ち影を入れます。
際にハイライトをいれてシャープな感じを出してみました。
絵的な嘘も時には必要です。(図3)



    遠景

色彩を大気の色に近づけるのが遠景のコツです。
色は明るく、コントラスト低めで青っぽく。

一番暗くなる部分を青っぽい緑で、カスタムブラシで描きました。(図1)(図4)
輪郭がギザギザした植物っぽく見えるブラシを作ってありますが、
最終的に地道に手描きで修正する時のとっかかりに過ぎません。

葉郡の塊をモリモリと加えます。(図2)

葉郡の陰、ハイライトを加えて完成です。(図3)

遠景に限らず、割りと色んな場面で使えると思うのですが、
明度の差で陰色を出すのではくて、色相の変化で陰色を出してやると
いい感じになるのではないかと。
今回は暗い部分から明るい部分までを順に青→緑→黄色と言った感じで
塗っていきました。(図5)
(わかりやすいSAIのパレットをお借りしました。)

    

天に上る塔のイメージで積乱雲のシルエットを描いていきます。(図1)

重なりを意識して陰をいれていきます。
後はひたすらブラシと指先ツールを使って形を整えます。(図2)

重なっている部分を濃くして強調してあげます。(図3)

    背景仮完成

八割方完成しました。
後は細かい調整と仕上げです。

    背景仕上げ

ほぼ全ての箇所に修正が入ってますが、特に細かく遠景を修正しました。
・空の色を濃くして空の高さを強調。
・雲の陰色を鮮やかにしました。
・時計台周辺をもっと青っぽくして遠近感を強調。

    仕上げ

背景と合わせて全体の色を細かく調整していきます。
髪の毛のほつれや、花びら、光を追加して完成です。

お疲れさまでした。

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