遥か昔から様々なゲームのライティングを手がけてきた
シナリオライター。ロリから年増まで何でもらいしゅきー!
な人ですが、大好物はお姉さん系。「はるとま」では特
に冬子さんがお気に入りらしく、原画を眺めては嬉しそ
うにニヤニヤする毎日を送っているとかいないとか。
メイドとおっぱいがあれば、この世はパラダイス。

巳無月(以降、「巳」)「1.担当の制作をしてみての感想を教えてください。」
素浪人(以降、「素」)「あれ? 対談って聞いてたのに、普通の質疑応答みたいな出だしですね……」
「あ、はい。巳無月です。オマリー!」
「あ、素浪人でございます。……おまりーってなに?」
「なんでもないです。さて、今回は対談形式でお送りします。巳無月は忙しいですのであなた主導でいっちゃってください」
「テンションバラバラやな。自分も暇ってわけじゃないんですけど……」
「そんなことより、これですよ、これ。他の皆さんにもコレを聞いて回ったんで、とりあえず順番にやっていった方がいいでしょ、これ」

「はいはい。『担当の制作をしてみて』……え〜と、担当したのは?」
「主に、春音と秋穂を担当しました。」
「区分けとしては、冬子と夏乃芽のシナリオを。」
「それと演出と」
「スクリプトと……」
「まぁ、その辺のいつも通りのことは、おいておくとして。感想です」
「感想ですか。感想って言ってもなぁ……難しいですよ」
「確かに、今回はキャラがディ・モールト難しかったです」
「あ……そうそう、そういう意味でね、うん」
「基本的にマジメで綺麗なお話なので、あまりにぶっ飛び過ぎるとなんだかなぁという気もしますし、かといって大人しすぎるのも駄目ですし、ただ、難しくて苦労した分、『キャラ』じゃなくて『人物』っぽくなったんじゃないかな〜とも思ったりしております」
「ほぉお〜……」
「ふぁきゅーん。『感想とか難しいこと言われても困るから、あんたの意見に乗っておく』とか全面禁止ですよ」
「うっ……いやいや、そんなこと考えていませんよ?」
「さっき言ってましたね」
「…………まぁ、確かに難しかったですよね! 次の質問にも絡むんですが、作品のイメージ的な面でも……」
「目ぇ逸らしましたね。ふぁきゅーん」
「綺麗な印象のストーリーで、重かったり暗かったりする内容をはらんでいて、でも決してアンハッピーなストーリーじゃない、というか」
「『2.制作過程の中で、作品イメージ的に気を付けたこと』です」
「そうそう。不幸なこと、ままならないこと、そういうのもありつつ、前向きに生きる人々というか。片側に振り過ぎちゃいけないから、バランスを取り続けるのが大変だった……という印象でしょうか。わかりにくいかな?」


▲女性声優陣から大人気のパパ
「キャラクターに関してですが、誰が一番大変でした?」
「……真語」
「主人公とかどんだけ!?」
「春音と秋穂も、担当じゃなかったから書きづらかったと言えば言えるし、亮太もなかなかキャラを掴むのに苦労しましたし」
「半数超えてますね、それ」
「冬子も大変でしたねぇ。この人は立ち位置的なものが、なかなか定まりにくかった憶えがあります」
「もしかして全員ってオチですか?」
「いや、カメ子は好き。勝手に喋ってるんじゃないかと錯覚するほど、書きやすかったです」
「ウチは逆ですね、夏乃芽は書きにくかった。あの独特の『夏乃芽ワールド』は素浪人先生ならではだと思います」
「先生とか言うな。カメ子、難しくないと思うけどなぁ……あの子よく喋るじゃん」
「巳無月の場合は、パパとあきぽかなぁ。二人とも脳内で勝手にハシャギ出して、大変楽しかったです」
「パパなぁ、良いですよね、パパ。ボケてくれるし、場をかき回してくれるし、でも纏めてくれるし」
「なんかモテモテですしね、パパ。スタッフ周りとかに」
「モテモテですよね、特に声優さん達から。正直驚いた」
「いやいや、予想は出来ましたよ。ああいうキャラはモテます」
「そ、そうなの?」
「眼鏡Yシャツは正義です。もっと勉強してください」
「は、はい……って、BLの勉強をする気は……」
「BLとかに限るな」
「え〜と、巳無月先生のBL談義はともかくとして……」
「ふぁきゅーん」
「話を戻して、『作品イメージとして』ってことに絞ると、気をつけたこととかあります?」
「今回の『はるとま』は、基本的に綺麗なお話だと思うんです。だから、あまり弾けすぎないように手綱を絞ったり」
「ストーリーというか、設定自体はかなり重いんですよね、この作品」
「重いですよ。この世界って……って、これ、言わない方が良い?」
「言わなくても良いかなぁと思うことは、伏せておいて良いんじゃない?」
「じゃ、伏せときます。まぁ、なかなか重くて大変な設定とかあっても、当たり前に明るく楽しく、当たり前に毎日を生きてるんだって感じがでるようにと」
「日常感ですな。自分も、必要ないところでは、あんまり悲劇悲劇しないように気をつけましたね。不幸があっても、出来るだけ明るく前向きに……。まぁ、単に自分がペシミスト一直線なキャラとか嫌いなだけかもしれませんけど」
「本ッッッッ当、悲劇とか悪人とか嫌いですよね」
「フィクションでくらい、ポジティブ中心で良いじゃないか……」
「ネガるんじゃありませんことよ」


「はい。素浪人先生的には、演出面で作品イメージ的に気をつけたことは何でしょう?」
「先生とか言うな。というか、演出面はみんなで考えて、みんなで作ったような気が……作ったと言えば、永月さん?」
「あなたがきちんと纏めて話すんですよふぁきゅーん」
「え〜と……白ソレの時みたいに、派手なものじゃないじゃないですか、今回は」
「むしろ、下手に派手なものを入れると邪魔になったかもしれませんね」
「だから、さりげないモノを、というか。たとえば、光のハレーションを永月さんにお願いして作ってもらったり」
「光、何種類かありますよね。3個くらい?」
「光だけなら、大きく分けて三種類ですね。そういう……アクセントというか、雰囲気作りというか……演出そのものが自己主張しすぎないように気をつけたつもりです。」
「今回のストーリーってどっちかと言えば、まったり系ですからね。だから、メリハリとか気をつけたり」
「メリハリ?」
「そのままなんにも考えずに演出を入れていくと、全体的に淡々としたものになっちゃうじゃないですか」
「確かに」
「だから要所要所、見せたいところで動的な演出を入れるように心がけたり、何か動きがあったら、『ここがシナリオ的に見せたい場面なのかな?』と思ってくださったりすると嬉しいかも」
「自分は、やっぱり雰囲気……かなぁ? 『ここ』と言う印象には残らないけど、全体的に綺麗だったとか、さりげなく動いてるんだなぁとか……
「絡みにくいです素浪人先生」
「だから先生言うな。え〜と! 次。次なんだっけ?」
「制作中のエピソードやネタ、失敗談。これは……」
「失敗談といわれても、毎日いっぱいいっぱいだったって記憶しか無くて……」
▲制作をお願いした光効果の一例。
「演出入れてて指が疲れました」
「はい?」
「演出を入れるときに、マウスでコチコチやったりするじゃないですか。あれで指が疲れました。」
「疲れないとは言わないけど……だったら、キータイプだって普通に疲れるでしょ?」
「キーボードなんてボタンの増えたファミコンのコントローラーみたいなもんです。世間の常識ですよ」
「いや常識じゃねーだろ。つーかボタン増えすぎだろ」
「さぁ、素浪人先生の面白エピソードの番です」
「いや、だからさ……」
「かもんぬ」
「だから、取り立ててねーんだって!」
「それでも芸人か!」
「芸人じゃねーよ! てか纏めましょうよ、そろそろ」
「あ、はい」
「それじゃ、最後にユーザーの皆さんへ一言」

「発売前の今は、安堵半分、不安半分な状態です。巳無月としてはもちろん『春音可愛いよ秋穂』と思って作りました。なのでプレイヤーの皆様も気に入っていただけたらな、と思います。よろしくお願いしますです。あ、もちろん冬子も夏乃芽も良い子です」
「シナリオ面でも演出面でも、やりすぎないように、やらなすぎないようにと、バランスに気を遣ったつもりです。そんな『はるとま』の世界が、皆さんの  お気に召すことを今は切に祈っております。なにとぞよろしくお願いします。」